気まぐれあの子は猫系女子っ!!【完結】
「それからは二人で試行錯誤の日々だったよ。」
料理なんて独身のときにしていたくらいで、もう何年もしていなかったから最初の内はとても美味しいとは言えないものしか作れなかった。
最初の晩ごはんには、冷製トマトパスタを作ったけれど、味がしなくて麺の味しかしなかった。
「だけど、夏音は美味しいと言って全部食べてくれたんだよ。」
涙ぐみながら嬉しそうに言った。
お父さんは仕事が忙しくて出張ばかりだったため、夏音は五、六才の頃はほとんどおじいちゃんおばあちゃんの家で過ごした。
寂しいだろうから、とお父さんはお母さんが入院している精神科の病院に夏音を休みの日には連れて行った。
それも少しずつに減っていった。
だけど、夏音が小学校に入学する歳になったときに、治ってはいなかったけどお母さんがまた家に帰ってきた。
しかし、小学二年生になったときにはまた病院に戻ってしまった。
ごはんを自分で食べられなかったり、
お風呂に一人で入れなかったり、
服を自分では着れなかったりしてお父さんの疲労が増えてしまったからすぐに戻った。