黄昏に香る音色
「もう大丈夫だから…ありがとう」

ゆうを、抱き締めながら、明日香は何度も、囁いた。

肩で、息をするゆうの鼓動が、

だんだんと、落ち着いてくる。

ゆうの鼓動の動きを、感じる。

ゆうは、抱き締める明日香の手に、そっと

後ろから、手を置いた。

そのまま、時が止まる。

ゆっくりと、

ゆうが振り返る。

ほんの数センチ先に、

明日香の顔が、あった。





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