黄昏に香る音色
ゆうは、高橋に馬乗りになり、何度も殴った。

高橋に、もう抵抗する気はなかった。

明日香は、殴り続けるゆうを、後ろから、

抱き締めて、止めようとする。

「やめて」

明日香は、ゆうに訴えた。


ゆうは怒りで、我を忘れ、
高橋を、殴り続ける。

「やめて!もう…大丈夫だから…」

明日香は後ろから、

ゆうを、ぎゅっと抱き締めた。

「お願い…」

明日香の願いに、

やっと、ゆうの動きが、止まる。

激しく肩で、息をし、

殴る手を止めたゆう。

体を抑える力が、ゆるまり、

高橋は慌てて、ゆうの下から這い出ると、

すぐに、走って逃げ出した。





「ありがとう」

明日香は、ゆうを抱き締め続け、

背中に、頬を押し付けながら、呟いた。


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