ヒミツの恋【短編集】
ようやく唇を離した渉先輩。そして腰砕けになったのか、足の力が抜けたのかクタリと座り込みそうになった真由美。






渉先輩がそんな真由美の腰をしっかり支えて、顔をあげ、私達を見た…






ヤバっ…覗いてるとこ…ばれちゃったっ。






焦る私の横で、まどかもオロオロし始める。






そんな私達を見て渉先輩はクスリと笑い、“しーっ”っと言うようなジェスチャーを見せた。






…そうだ!真由美はまだ私達が見てたなんて知らずにいる。






なんで渉先輩がここにいるのかわからないけど…






今の二人を見れば一つだけわかることがある。






二人は仲直りしたんだって…






私達が出ていって邪魔しちゃいけない!






私はまどかの腕を掴み、二人でゆっくり、後ずさった…静かに、歩こうと努力はするけど、気持ちがはやって少し足音が出てしまう。…けど、きっと真由美は気付かない。あんな激しくキスされてたらねぇ?他を気遣う余裕なんてないはずだもん。






あと少しで階段…!って所でまどかが転んで…声を出さなければ…







完ぺきだったんだけどな…
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