ヒミツの恋【短編集】
初めて声をかけられたのは今から2ヶ月前だった。





その日は返却の本も無く、図書室を訪れる生徒もいなくて、図書室にあった本をカウンターに座りながら暇潰しに読んでいた。






突然ガラっと音を立てて開くドアに驚き顔をあげると…





そこには少し息切れをさせた渉が立っていたんだ。





私は突然現れた、見てるだけの遠い存在である渉の登場に、驚き姿勢を正して見つめた。





『…悪い!ちょっと隠れさせて!!』





そう言って、本棚と本棚との間に身を潜める渉の行動を訳がわからず見つめてた。






すぐにバタバタと走り去る足音に、なんとなく聞こえる女子の話し声。






私は渉が追っかけにあっていたんだとすぐに悟った。
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