あの加藤とあの課長
翌朝、案の定生理痛で動けなくなってしまった私は、帝を源に任せ。

湯タンポを抱えてベッドで丸くなっていた。



「陽萌。」



名前を呼ばれてふと顔を上げると、私を見下ろす帝がいた。

その服装は制服。



「帝…。」

「俺、もう行くな。」

「うん、頑張ってね…。」



弱々しく微笑む私の頭を撫でると、帝は優しく微笑んだ。



「結果が出たら、また連絡する。」

「うん。」

「いってきます。」

「いってらっしゃい。」



帝が寝室を出ていって少ししてから、玄関のドアが開閉する音がした。

それから寝室のドアが開閉する音がして、そちらに目を向けると、マグカップを持った源がいた。



「送って行こうかと思ったんだが、陽萌の側にいてくれって。」

「ふふ、そっか。」



起き上がるとマグカップを受け取り、中に入っていた紅茶を飲む。

ベッドに腰掛けた源は、私の前髪をすきながら私の顔を覗き込む。



「顔色はそこまで悪くないな。」

「うん。今日が日曜日でよかった。」

「だな。」



マグカップをチェストに置くと、源の肩に額をつけた。

源の匂いがして、安心する。



「可愛い弟だな。」



ふと顔を上げると、まるでお兄ちゃんのような表情をしていて。

「でしょ?」と問うと、「あぁ」と頷いた。
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