誠─紅き華は罪人に祝福を与う─



「ん?なんだ、ファントム殿ではないか」


「お帰りなさい。新八さん達と一緒だったんですね?」




近藤達が広間に入ってきた。


後ろには別に出ていったはずの永倉、原田、藤堂の姿もある。




「ちょうど表で一緒になったんですよ」


「んで、あんた一体どうしたってんだ?」



「失礼します」


「あぁ、山崎君、響君、ありがとう」


「いえ」




全員分のお茶と茶菓子を盆に乗せ、二人が広間に戻ってきた。


そしてもう一人、廊下に膝をつく者がいた。




「お久しぶりです」


「お前は・・・あの時の」


「蜜緒と言ったか」


「はい。今は時雨様の刑が終わるまで元老院の伝令役としての役目をいただいております」




三つ指ついて頭を下げる蜜緒に皆の視線が注がれた。




「皆様に第五課長レオン様から伝令でございます。“鬼を滅した輩の子孫が消されているよ”と」




ふいに広間の中が静まり返った。




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