素敵彼氏の裏の顔
淳ちゃんは無敵だと思っていた。
実際、負けたことなんてなかった。
……あの時を除いては。
あの時、淳ちゃんは瀕死の重症を負った。
相手はただの高校生。
だけど今は……
その間にも騒がしい声が聞こえ、ドスッ…再び鈍い音が聞こえる。
そして、淳ちゃんの笑い声が聞こえた気がした。
笑い事じゃない!
淳ちゃん、自分の危険を知らないの?
もしかしたら、相手は暴力団かもしれないんだよ!?
止めなきゃ!
手遅れになる前に、何とかしなきゃ!!
あたしは駆け出していた。
怖くて身体が震えるが、懸命に地面を蹴る。
淳ちゃんが消えた曲がり角を曲がり……
あたしは目を開いていた。