素敵彼氏の裏の顔
「えっ!?」
隼人の間の抜けたような声が聞こえた。
久しぶりに聞いた、隼人の穏やかな声だった。
その声を聞いたら何だかホッとして。
地面にダイブしたままあたしは笑っていた。
肋骨がズキズキ痛むが、そんなことどうだって良かった。
「美優。何してんの?」
隼人はいつものように穏やかに言葉を発して、あたしの前にかがむ。
そして、いたずらな笑みを浮かべながら、倒れたあたしの頭を撫でた。
「美優は盗み聞きなんてする悪い子だった?」
その甘い言葉があたしの胸にじーんと滲みる。
さっきまでの隼人は、死ぬほど怖かった。
影から見ているあたしまで、失神するかと思うほど。
だけど、目の前にいる優しい隼人を見ると、なぜか安心してしまう。
紛れもなく数秒前まで、隼人は荒れ狂っていたのに。