素敵彼氏の裏の顔




顔を上げると、隼人の綺麗な瞳と視線がぶつかる。

それだけで身体に甘い痺れが走り、顔に血が上る。

愛しくて、愛しくて仕方がない。

絶対、離れたくない。






「行かないで……」




あたしの声はかすれていた。




「他の女の人のところに、行かないで」








その瞬間、優しく、そして柔らかく口を塞がれる。

息が出来ずにもがくあたし。

身体が沸騰したように熱くなり、頭がぼんやりする。





一度だけしたキスと、全てが違っていた。

あたしがあたしでなくなってしまいそうな、甘い甘いキスだった。

お互いを感じ合い、愛を伝え合う。

隼人を深く深く感じた。







長いキスのあと、名残惜しそうに離れる唇。




「俺を信じて」




隼人はただ、そう言った。






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