素敵彼氏の裏の顔




隼人はあたしの身体を抱きしめたまま、口を開いた。

だが、その口から出た言葉は、あたしの想像をはるかに超えていた。






「明日、急遽みどり祭に行くことになったんだけど、

美優も行かない?」








みどり祭……

それは、あたしの地元で毎年この辺りにあるお祭りだ。

この夏の豊作を祈る、初夏の祭り。




昔は毎年淳ちゃんと行っていた。

だけど、みどり祭には毎年恒例のように乱闘が行われていて。

いつの間にか、淳ちゃんは祭りに行くことはなくなっていた。

みどり祭の夜は、淳ちゃんは気合いを入れて、自らの力を誇示しに行く。

そんな、表向きは華やかだが、一方で治安の悪化を招いているような祭り。

隼人がそんな祭りに行くだなんて。


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