素敵彼氏の裏の顔


「それより、ごめんね。

昨日置いてきぼりにしてしまって」





うん。

すごく寂しかった。

だけど……

安心したよ。






あたしはわざと顔をしかめ、辛そうに呟く。




「怖かったよ。

不良に絡まれて」



「えっ!?」




どうやら隼人はそれを本気にしてしまったらしく、




「ごめん……

本当にごめん。

どんな人たちにやられた?」




これ以上嘘を言い続けたら酷いことになりそうな予感がしてならなかった。

だから、




「冗談だよ」




慌ててそう付け足す。

すると、隼人はホッとした表情になる。

どこまででもあたしを心配してくれる隼人が、たまらなく愛しい。



< 309 / 401 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop