素敵彼氏の裏の顔
伝説の男
え……!?
なんで!?
なんでここに!?
恐る恐る声のする方を見る。
すると、そこにはあたしの大好きな彼がいて。
焦げ茶の髪に、すらっとした身体。
だけど、白いシャツに黒いパンツ、黒いエプロンを巻いていて。
「わざとやってんのか」
彼はあたしに背を向け、淳ちゃんの胸ぐらを掴み上げた。
先輩たちは、突然現れた彼を見て、完全に青ざめていた。
だけど淳ちゃんはいつものように笑っていて。
「隼人ちゃん、熱は下がったの?」
なんて余裕な表情。
「ふざけんな城内!
てめぇが急にズル休みするから、俺が出勤になってんだ」
隼人はそれはとても怒っているようで。
近くにいるあたしまで、その破壊的なオーラにやられてしまいそう。
だけど、隼人はその怒りに満ちた顔をあたしに向けず、抱きつきたいその背中をただ見せていた。