素敵彼氏の裏の顔


淳ちゃんは相変わらず余裕でへらへら笑っているが、先輩たちは身を引いて隼人を見上げる。

さっきまでの横柄な態度が嘘のようだ。

そこまで隼人の存在が怖いのか。




そして、ようやくあたしは悟った。

ここが淳ちゃんの職場、つまり隼人のバイト先だ。

隼人は欠勤の淳ちゃんの代わりに、その熱い身体を引きずって仕事に来たのだろう。






「くだらない噂するなら、消えろ」




隼人はそう吐き捨てて、淳ちゃんの胸ぐらを掴む手を離した。

隼人はどういうつもりか分からないけど、やっぱり怖い。

わざとらしく崩れ落ちた淳ちゃんを、



「だ……大丈夫か、城内」



本気で心配する先輩たち。






「やべぇよ、とりあえず逃げるぞ」



「酔った身体じゃ戦えねぇ」




先輩たちは口々に叫んで立ち上がろうとするが、すでにアルコールの回った身体はフラフラで。

醜くその場に倒れこんだ。



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