素敵彼氏の裏の顔
そんな先輩たちに、容赦なく掴みかかろうとする隼人。
「隼人、だめ!!」
思わずそう叫び、その体にしがみついていた。
熱い体温に焼かれそうになり、ふわっと隼人のいい香りがした。
胸がどきんとした。
一瞬の陶酔のあと、
「美優ちゃん!?」
先輩たちの驚く声が聞こえた。
それもそのはず。
淳ちゃん以外の先輩には一切懐かなかったあたしが、敵……しかも、神木を庇っているからだ。
隼人はようやくあたしを見た。
その瞳はいつもの穏やかな瞳で、ホッと安心するあたし。
隼人、またわざとやってるのだと悟る。
だから思わず吹き出してしまった。