素敵彼氏の裏の顔




そんな先輩たちに、容赦なく掴みかかろうとする隼人。




「隼人、だめ!!」




思わずそう叫び、その体にしがみついていた。




熱い体温に焼かれそうになり、ふわっと隼人のいい香りがした。

胸がどきんとした。




一瞬の陶酔のあと、




「美優ちゃん!?」




先輩たちの驚く声が聞こえた。

それもそのはず。

淳ちゃん以外の先輩には一切懐かなかったあたしが、敵……しかも、神木を庇っているからだ。





隼人はようやくあたしを見た。

その瞳はいつもの穏やかな瞳で、ホッと安心するあたし。

隼人、またわざとやってるのだと悟る。

だから思わず吹き出してしまった。



< 359 / 401 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop