僕と彼女の秘密の物語。
彼女は小さくため息をついて続けた。
「確かにそれがキッカケで、男に対して嫌悪感を持った時もあった。
でもそれ以上に私が苦しかったのは、私自身のことなの」
「西野さん自身?」
「父のあんな姿を見てる内に、いつからか私も変な気分になってきた。
それは気持ち悪いとか嫌悪感とは違う、もっと別のもので…
ある日、父が部屋を出て行った後、私はベッドの中で自分の下半身に手を伸ばしたの。
……濡れてた。びっくりしたわ。
最初は驚いてよくわからなかったけれど、そこを触ると気持ちいいことに気がついた。
あぁ、これって男の人だけじゃなくて女も同じなんだって気付いた。
それ以来、私は父の行為を見た後に自分を慰めるようになった」
ソファの上で彼女は膝を立てると、小さく丸くなって縮こまった。
その様子がまるで、何かに怯えているような子どもみたいだった。