僕と彼女の秘密の物語。
「…それから時々、母が居ない時に父は私の部屋にきて、私の目の前でその行為をやってみせた。
人間って不思議なもので、最初はあれだけ嫌だったものでも、回数を重ねれば見慣れてくるのね。
だんだん冷静に父の姿を観察するようになって…
男は皆、こうやって自分を慰めているのだと思ったら少し滑稽とすら思った」
「……その…お父さんは今も……?」
「ううん、父と母は1年で別れたわ。
父が、母よりももっと年上の女性と不倫したの。
父が私に手を出して来なかった理由が今なら分かる。
あの人、いわゆる“熟女好き”だったのよ」
彼女がどこか自嘲的に笑った。
その笑顔がなんだか悲しかった。
「…もう良いです。
それ以上は…もう分かりましたから」
僕は堪らずそう懇願した。
彼女の立場じゃなくとも、男の僕にだって安易に想像出来る。
その父親がきっかけで、彼女は男性や性行為に対して嫌悪感を持つようになった。
だから、男を受け入れることが出来ない。
僕に見せたあの姿は、
その父親の姿に今でも囚われている、彼女の心の傷だったのだ…
「人の話は最後まで聞きなさいよ」
「だって、そんなつらい話…」
「もしかして、私が傷付いてるとでも思ってる?」
「だって……」