【完】初めての恋は――。
授業も終わったため、私は剣道場へと向かった。


いや、向かおうとした。


「亜美、剣道場一緒に行くぞ」


1人で向かい出していた私は、声を掛けられて振り向いた。


このタイミングで話しかけてくる人物は1人しか思い当たらない。


……やっぱりか。



「弘樹か。1人で行こうと思ってたし、一緒に行こうか」


声を掛けてきたのは、おなじみの弘樹。


幼馴染なだけでなく、小学生のときから一緒に剣道を習っていた。


「そういえば、隣のクラスに剣道部入る女子が1人いるらしいぞ」


「ほんと?よかったぁー。女子1人だったらって不安だったから」


女子が私の他に入部すると聞いて素直に嬉しかった。

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