【完】初めての恋は――。
「2人また一緒かよ。何部に入んの?」


教室を出た所で、急に離しかけられた、たぶん弘樹に向かって。


たしか同じクラスの男の子。


名前はまだ覚えてはいないけど。



「同じ剣道部に入るんだよ。小島は?」


あー、そうそう。小島くんだった。


私が一人納得している間に、2人の会話は終わっていた。




「ほら、亜美、行くぞ」


「ちょっと、弘樹待ってよ」


さっさと歩いて行ってしまう弘樹に追いつこうと小走りした。


私と弘樹のコンパスの長さが違うんだから、ゆっくり歩いてくれればいいのにね。


弘樹と話しながら歩いていると、すぐに剣道場に到着した。


剣道場には一年生らしき人たちも何人か既に集まっていた。


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