不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
「い、いるけど……っ」
パパの顔が見れない。
「友達全員の名前と電話番号教えろ」
缶ビールをテーブルの上に置いて、パパは自分のスマフォを取り出した。
「しょ、小学生じゃあるまいし。なんでそこまでしなきゃいけないの?ずっと思ってたけどパパって過保護すぎっ」
「娘を心配するのは親として当たり前だろ?」
「そうだけどっ」
パパの場合はやり過ぎなんだってば。
「姉ちゃん、愛君とデート?ならもうちょっとスカート短い方がいいんじゃね?」
「なっ……なに言ってんのっ‼李久には関係ないでしょ」
ニヤリと笑って余計な口を挟む李久に、タジタジのあたし。
この光景を楽しんでるとしか思えない。
一体どうやったらこんな風に育つのやら。
「李久ったら、余計なこと言わないの」
苦笑いを浮かべながら、ママが呑気に李久に言う。
もうちょっとキツく叱って欲しいもんだ。
「美久……お前、ヒロトんちのバカ息子と付き合ってんのか?」
更に低い声を出すパパの言葉にギクッとする。
パパの筋肉質な腕の先にある拳がワナワナ震えるのを、息を吞みながら見つめた。