不良系幼なじみとの甘い恋愛事情


それにしても……。

バカ息子って。


パパは怒ると口が悪くなる。



とにかく

あたしやママのことになると、そりゃもう大変なんだよね。


威圧感のあるオーラを放って人を寄せ付けなくなるんだ。


今はこれ以上刺激しない方がいい。


これまでのことでそう学んでいた。


ソロっとそこから遠ざかるようにしてドアの方へと近寄る。


こういう時は逃げるが勝ち。


早くここから立ち去らないと。



「姉ちゃん達どこまで進んでるわけ?やっぱ愛君って手ぇ早いの?」



「はぁ⁉」



どこまでって……。

どこまでも進んでませんけど‼


睨み付けてやったけど、李久はケラケラ笑っているだけ。


ム、ムカつく。



「李久、てめぇそれ以上は黙ってろ」



ドスの効いたパパの低い声と黒いオーラは、これまで見て来たものとは比べものにならないくらい怖かった。


マズイな、これは。



「もう寝るから‼おやすみ」



「まだ終わってねぇだろ」



振り切るようにリビングを出て、自分の部屋へ滑り込む。



これ以上面倒なことになるのはゴメンだ。



李久め。

いつかギャフンと言わせてやるんだから。

ったく、本当誰に似たんだか。



とりあえず服も決まったし、明日に備えて今日は早く寝よう。



ベッドに入ってから電気を消して、そっと目を閉じた。


< 112 / 266 >

この作品をシェア

pagetop