不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
それにしても……。
バカ息子って。
パパは怒ると口が悪くなる。
とにかく
あたしやママのことになると、そりゃもう大変なんだよね。
威圧感のあるオーラを放って人を寄せ付けなくなるんだ。
今はこれ以上刺激しない方がいい。
これまでのことでそう学んでいた。
ソロっとそこから遠ざかるようにしてドアの方へと近寄る。
こういう時は逃げるが勝ち。
早くここから立ち去らないと。
「姉ちゃん達どこまで進んでるわけ?やっぱ愛君って手ぇ早いの?」
「はぁ⁉」
どこまでって……。
どこまでも進んでませんけど‼
睨み付けてやったけど、李久はケラケラ笑っているだけ。
ム、ムカつく。
「李久、てめぇそれ以上は黙ってろ」
ドスの効いたパパの低い声と黒いオーラは、これまで見て来たものとは比べものにならないくらい怖かった。
マズイな、これは。
「もう寝るから‼おやすみ」
「まだ終わってねぇだろ」
振り切るようにリビングを出て、自分の部屋へ滑り込む。
これ以上面倒なことになるのはゴメンだ。
李久め。
いつかギャフンと言わせてやるんだから。
ったく、本当誰に似たんだか。
とりあえず服も決まったし、明日に備えて今日は早く寝よう。
ベッドに入ってから電気を消して、そっと目を閉じた。