不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
何回か繰り返す内に慣れて来たのか、少しずつボールが見えるようになって来た。
「お、その調子だ。頑張れよ」
バットを握る手に力を入れて身構える。
ここまで来たら、なにがなんでも一回くらいはバットに当てたい。
こんなところで負けず嫌いの血がメラメラと燃え上がる。
機械からボールが飛び出して来るのがスローモーションのように見えて
頭で考えるよりも先に、体が勝手にバットを振っていた。
カキーン
バットに強い衝撃が走った瞬間、ビリビリと腕が痺れるような感覚がした。
「お、やったな」
ホームランとまではいかなかったけど、遠くまで飛んで行ったボール。
「きゃー‼やったぁ‼」
当たったことが嬉しくて、思わずハルの方を振り返って満面の笑みを浮かべた。
やばい、楽しいかも。