不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
「えっ⁉」
見覚えのあるバックルが付いた腕。
それは愛翔のものだった。
「カバン。前田に頼まれたから」
「えっ……あ、そう、なの?」
愛翔の手にはあたしのカバンが握られていた。
「ありが、とう」
まどかの奴、あたしと愛翔のことを知ってるくせに。
絶対わざとだな。
受け取る時、愛翔の指にあたしの指先が触れた。
それだけのことに、ありえないくらい鼓動が跳ねた。
触れたところがじんじん熱い。