不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
「俺らはただのダチだよな?」
ハルは目を細めながら優しくあたしの顔を覗き込んだ。
整ったその顔に不覚にもドキッとして、思わず後ずさる。
「う、うん、ただの友達‼」
うんうんと頷いてみせると、ケンはそれ以上聞いて来なかった。
「俺らこれからカラオケ行くんだけど、良かったら一緒に行かない?」
そう言って甘い笑顔を貼り付けたケンは、この不良軍団の中で唯一の爽やか男子。
「え、いや……でも」
愛翔とだなんて気まずすぎる。
カバンだって取りに行かなきゃだし。
「あ、あたしは……」
そう言いかけた時、目の前にすっと腕が伸びて来た。