不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
もしバラされたらって考えると、サーッと血の気が引いていく。
顔面蒼白とはまさにこのこと。
立ちくらみがして思わず壁に手を付いた。
結ちゃんとはこのままの関係でいたい。
気持ちがバレちゃったら、きっとそれは叶わなくなってしまう。
「やっぱり、まだ好きなんじゃねぇかよ」
唇を薄く開いて愛翔がポツリと嘆いた。
まさにその通りだし、言わないでとお願いしてる肩身の狭いあたしは、言い返す言葉が見つからずに黙り込む。
「びっくりするだろうな、お前の気持ちを兄貴が知ったら。鈍感だから多分気付いてねぇしな」
薄暗い廊下に愛翔の意地悪な声が響いた。
「や、やめてっ。お願いだから‼」
「やめねーし。でもまぁ……」
な、なんて奴だ‼
こんなにも必死にお願いしてるのに。
「俺と付き合うなら、黙っててやってもいいけど?」
「は、はぁ⁉」
言葉の意味が理解出来ない。
い、今、なんと言いました?
つ、付き合う?
付き合うって……⁉
カレカノになるって意味?
誰と、誰が⁉
「俺とお前に決まってんだろ」