不良系幼なじみとの甘い恋愛事情


それからは声を掛けるのもためらうようになった。



中学に入ってからは顔を合わせるとそっぽを向かれたり、睨まれるようにまでなったから嫌われたんだと思ってた。



だから

昨日声を掛けられた時はすごく驚いた。



まさか、付き合うことになるなんて思ってもみなかったけどね。



「愛翔、起きてる?」



ドアを控えめにノックし、返事を待つ。



耳を澄ましてみたけど、中からは物音一つさえ聞こえて来ない。



絶対、まだ寝てるよね。



遅刻の常習犯だし、ユメさんが朝いつも苦戦してるのをママから聞いて知っている。



「は、入るよー?」



ドアノブを握り締め、恐る恐る下に引いた。



ガチャ


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