不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
あたし、まだまだまどかのことをわかってなかったみたい。
「お、前田(まえだ)じゃん」
「小田君、久しぶりー」
まどかと小田君は一年の時同じクラスで、挨拶を交わす程度の仲だったらしい。
へラリと嫌味なく笑う小田君。
目がなくなって、一気に柔らかい雰囲気が放たれた。
その顔がなんとなく可愛くて、怖そうな人っていう印象から優しそうな人って印象に変わった。
小田君の側に寄って行くまどかの背中に、心の中で頑張れって叫んだ。
「隣の女は小田のモノかよ」
「なんでお前らだけ……俺らにも可愛いコ紹介しろよ」
赤毛男とツイストパーマをかけた男がギャーギャー騒ぎ立てる。
よく見ると、全員眩しいくらい整った顔立ちをしていた。