不良系幼なじみとの甘い恋愛事情


掴まれた腕が熱い。


全神経がそこに集中してる。


胸の奥がくすぐったくて変な感覚。



「やだー‼愛翔先輩って彼女いたの?」



「ありえない。可愛くないしっ!」



「ショック〜‼」



相変わらずおモテになりますこと。



学校以外の場所でもこんなに有名だなんてね。



好き放題言ってくれちゃうギャラリー達に、言い返す度胸なんて備わっていない。



早くここから切り抜けたい一心で黙々と歩いた。



「よく逆ナンされるみたいだね」



さすがに沈黙が辛くなって、さっきギャルグループが口にしていた話題を振ってみた。



「だったらなんだよ?」



無愛想に愛翔が答える。



否定しないってことはそうってことだよね。



ズキン



なんかやだな。



「別に?モテるんだなぁって感心しただけ‼モテる人は選び放題でいいよね」



思ってもいないことを嫌みたらしく言ってしまった。



いつも言われてるから、こういう時だけしか仕返し出来ないしね。


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