大人の純愛宣言

3私たち歳の差はいくつなんですか

そう、傷付く前に始めなければ良い…。



電話を切ってから、しばらくすると社長がうちにきた。私が好きな店のシュークリームを持って来た。紅茶をいれ、そわそわしながらリビングのテーブルに置いた。

社長の私服というか、初めて見た。いつもスーツ姿だったから。私が気に入っているソファーに座っているが、この部屋に男がいるなんて不思議だ。

「なんか、大井って意外の塊だな」と笑った。意味がよくわからずにいると、部屋着も内装も意外に乙女だなということらしい。

「そうですか?まあ、確かに仕事のときはパンツスーツばかりだもんね。いただきます」とシュークリームを食べた。社長は私がこれを好きなの知ってたんだろうか。

社長は豪快になんと二口でペロリと食べてしまった…。

「社長こそ、意外ですよ?シュークリーム二口で食べるなんて!」と驚いてしまった…

社長は笑って、私の口についたクリームを人差し指で取りなめた。その動作は私をドキッとさせる。

「スッピンだともっと若く見える…俺考えたんだけど…」

社長の口から、なんて言葉が出るのか不安になった。傷つきたくなかった。

「最初大井が面接に来たとき、正直不採用にするつもりだった。コンドームの事があったからさ。でも考えが変わって、一緒に過ごしているうちに惹かれた。」そう言うと、右手で私の頬をなでた。

優しく、大事にするさわり方だ。

「そのうちコンドームの相手がどんな奴なのかとか、嫉妬みたいな気持ちまで出始めて、俺大井が必要なんだと思ったんだ。」

驚いて、ポカンとしてしまった…。

「順番間違ったけど、付き合って欲しい…」そう言って私の手を握りしめた。


ドキッと跳ね上がってしまって、耳まで真っ赤になったと思う。

「可愛すぎ…」と笑う社長。


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