近い君、遠い君。



真美がすぐにとんでくる。

「はるか、今のナイスだよ!!」
「や、やったぁ~…」





……




昼休みになって隼也は教科書を返しに来てくれた。


「ん、これありがとう!」
「う…うん。またいつでも貸すから…」


隼也は「じゃ」と言うと方向転換をした。


もっと隼也と話したいなあ。
そう思ってた。



「あ。」
隼也は再び私の前へ来た。

廊下からの窓越しでだいぶ近い……。



ドクンドクン。ドクンドクン。




「…な、に?」
「あのさ、今日一緒に行きたい場所あるんだ。急で悪いんだけど…いいかな?」



…え?!

これは遊びのお誘い?!
もしかして二人きり?!



…多分他に人はいると思うけど。




「…あ、大丈夫だよ」
「うん。じゃあ家の前迎えに行くから。それじゃっ!」





隼也は再び方向転換してグラウンドへ行ってしまった。



…隼也が行きたい場所って何処だろ?
私と一緒にって言ってたし。



「はーるかっ」


考え事してたら真美が後ろからとびついてきた。



「わっ!!…ビックリしたぁー…」



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