政略結婚~天使に導かれて~
一人になった愛は、点滴も外れたので、颯太の部屋に向かった。

コンコン ♪

返事がない・・・・・。

愛はそっと、ドアを開けると、颯太は眠っていた。

愛は、颯太のベットの脇に座り、颯太を見ながら、

「颯太・・・・・」

呼びかけても返事が帰って来ない颯太に、愛は

「颯太・・・・私達に赤ちゃんが出来たんだよ・・・・
 颯太・・・・私、頑張って産むから・・・私達、幸せな家族に
 なろうね・・・グスッ・・・颯太・・・約束したよね。私の側を
 離れないって・・・・颯太・・・愛してるから・・・お願い・・
 一人にしないで・・・・グスッ・・・・・」

愛は、泣きながら颯太に話しかけた・・・。

愛は、暫く颯太の寝顔を見て、颯太の頬に軽いキスをして、
部屋を出て行った・・・。


眠っていると思われていた颯太は、起きていた・・・。

愛の顔が見れなくて、眠ったふりをしていたのだ・・・。

「愛・・・愛してる・・・・。お前をいつまでも守ると誓ったのに
 愛・・・・・・」

颯太は、愛の思いを聞き、また自分の命があとわずかと聞き、
自分は、悪夢を見ているようだと、気が狂いそうな反面、冷静な
自分がいるのを感じていた・・・。
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