政略結婚~天使に導かれて~
「親父、愛ちゃんの言う通りだよ。まだ何もしてないのに、
 兄さんが死ぬとは限らないだろ!
 やるだけやってみようよ!  親父!!」

「すまない、愛ちゃん、悠太。俺もどうにかしたい・・。だがな
 俺は、島津の責任者として、また颯太の父親としてもこれからの
 事は、真剣に考えなくてはならないんだよ・・・。
 颯太の母親も、颯太と同じ年に、胃がんで亡くなっているんだ」

「そんな・・・・・・・」

悠太は、呆然として豊の話を聞いた。

「とにかく、愛ちゃん、もし子供をあきらめるんなら、早い方が
 いい。
 でも、愛ちゃんが、どうしても産みたいのなら、それは構わない。
 島津の子供だから、島津でもちゃんと助けるよ・・・。
 お父さんとお母さんとよく話し合ってくれ・・・・。」

「お義父さん・・・・。」

豊は、それだけ言うと、君子と悠太を連れて、帰って行った。

残された愛と両親は、

「愛、お前、今晩よく考えなさい。私達は、お前の決断に
 協力するから。
 したいようにすればいい!?」

「あなた・・・・・」

「ありがとう。きちんと考えるから・・・・」

竜太郎と華英は、愛にそう言い残し、帰って行った。
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