政略結婚~天使に導かれて~
翌朝、颯太は、点滴が外れたため、愛の病室にやって来た。

「愛、おはよう・・・」

「あっ、颯太、おはよう。点滴、外れたの?」

「うん、またもう少ししたら、始まるから、その前に光太の顔を
 見に来たんだ」

「そっか、今、寝ているけど・・・」

二人で、光太の顔を覗き込み、愛は颯太に

「本当に、颯太に似ているでしょ!?」

「そうか!?」

颯太は、そう言われて嬉しそうに笑顔で

「光太、大きくなって、ママをしっかり守ってくれよ!」

「颯太・・・・・・・・・」

颯太にはわかっていたのだ。

自分が、あとわずかでこの世を去らなくてはならないことを・・・

医者からは、半年が目安と言われながらも、既に半年は過ぎている
今は、神様からの褒美の日々だと、颯太は思っていた。

あと、もう少し、せめて光太が笑えるようになるまで・・・・

一日、一日が颯太にとって、今は感謝の日々なのであった。
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