政略結婚~天使に導かれて~
そんな気まずい雰囲気の中、隆二が

「とにかく、お祝いだな!」

「そうだな!まさかお前が、一番に、結婚するとは思わなかったよ!」

勇樹も、言葉をかける。

「まぁーな。でも、帰国してから、本当に、いろんな事があり過ぎて・・・・
 自分でも、この4年間が信じられない位、早かったよ・・・・。
 でも、今は幸せだ。
 愛も光太もいるし、何より、自分の想いが叶った・・・・。」

「「「・・・・・・・・・・・・」」」

悠太の幸せそうな顔を見ると、本当にこの4年間、悠太が大変だった事をと
三人はつくづく思い、過去を振り返った。

帰国後、仕事を始めて、すぐに颯太の病気が発覚し、その分悠太が
右も左もわからないうちに、仕事を任され、必死に頑張っていたのを
この三人は知っている・・・。

自分たちには見せない部分でも、かなり必死だったと思う・・・。

颯太の仕事ぶりは、各界でも有名な切れ者で通っていたので、悠太が
その後を引き継いだのだから、相当のプレッシャーもあったと思うが、

それでも、悠太は愚痴一つ零さず、血の滲むような努力をして
今の幸せに繋がっていると思うと、三人は、心からお祝いしたいと
思った。

椿も、悠太が本当に好きだったが、所詮悠太が自分を、友人としか
見ていないのも十分に承知していた。

前は、望みのない恋をするなら、自分を好きでいてくれる人と付き合うのも
いいかも知れない・・・と、何人か付き合ったこともあったが、いつも
悠太と比べてしまい、結局駄目になるばかりで、最近では、悠太に告白
して、駄目でも良いから、前に進もうとしていた・・・。

それが、今日の結婚報告で、一気に自分の気持ちが弾けた。
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