政略結婚~天使に導かれて~
しかし椿も、悠太の幸せな顔を見ていると、何も言えずにいたが、意を決して

「悠太、おめでとう・・・良かったね!」

「ありがとう、椿。椿も、自分の幸せを見つけてくれ!」

「うん、そうだね。頑張るわ・・・」

椿は、そう言うと、涙が溢れそうになり、三人に、

「今日は、帰るわ! また連絡頂戴!」

そう言い残して、椿は店を出て行った。

「おい、椿・・・・・・」

勇樹が、声をかけたが

「勇樹、そっとしておいてやれ・・・・。椿は、一人になりたい
 はずだ・・・・。今、俺達が追いかけても、椿は自分の気持ちに
 区切りをつけることが出来ない。今は、そっとしておくのが
 一番だ・・・・」

「そうだな・・・・・後で、メールでも入れておくよ・・・」

勇樹と隆二がそんな会話をしていると

「椿には、本当に幸せになって欲しいんだ・・・・」

ポツリと悠太が言った。

「本当、そうだな・・・・」

三人は、心から友人の幸せを祈った。
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