政略結婚~天使に導かれて~
「いつまで、こんな生活しているつもりなの?」

部屋の片づけが終わり、博美は、ソファーに座って、栞に話始めた。

「・・・・・・・・・・・・・・」

「専務とは、別れたんでしょ! いい加減、前を向かないと・・・
 栞は、これから先、まだまだ若いんだから、自分のやりたいことを
 見つけても良いんじゃないの?」

「無理です・・・颯太がいないのに・・・・何で私ばっかり、こんな
 思いしなくちゃならないんですか・・・!?」

「栞・・・・・・」

「だって、愛さんが現れるまで、私達、上手くいっていたんですよ。
 それに、颯太だって、結婚しても、私との関係は、変わらないって
 言っていたのに・・・・なんで・・・・・」

「栞、良く聞いて。専務の結婚は、確かに政略結婚で、家と会社の
 為だったけど、専務は、今、心から愛さんを愛しているのよ。
 それに、栞とは、最初っから結婚は出来ない話だったんでしょ!?」

「・・・・・・・・・・・・・」

「会長が、仰っていたのよ。栞は、前付き合っていた人の子供を
 妊娠して、中絶の際、術後が悪くて、子供を産めなくなった!って
 会長は、最初から栞の事は知っていたわ。ただ、栞が妊娠する
 事がないから、今までほっといたけど、今は、西園寺の事もあるし、
 西園寺の方でも、栞の事は調べてあるみたいで、会長は、結婚しても
 別れなかった専務に、すぐに栞と別れなければ、会社を継がせない!
 とまで言われたそうよ・・・・。ただ、専務は、会社を継ぐとか、
 そう言う事ではなく、単純に、愛さんを本気で好きになった!って、
 仰っていたわ。」

「・・・・会長、そこまで博美さんにも話したんですか・・・・・」

博美の話を聞き、悪い顔色がますます悪くなる栞だった。
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