政略結婚~天使に導かれて~
あの事件後、栞の事は、会社では体調不良の為、そのまま退職扱いに
なり、愛の考えで、告訴はしないことにした。

今回の被害者は、全員もしくは、女性二人が被害者で、颯太がもっと
早く、栞と別れていれば、この事件は起きなかったかも知れない・・・・。

そう考えると、愛は、どうしても栞を憎むことは出来なかった・・・。

そして栞は、あのマンションを出て、今は実家のある九州へ戻った。

愛が、栞が退職する際、颯太に、出来たらこれからの事を考えて、退職金
は、きちんと出して欲しいと、訴え、その旨を相楽から栞に伝えて貰ったら
栞は泣きながら、愛に詫びていたと相楽から聞いた。

颯太は、再度今回の事の重大さを認識し、これからは、愛を全力で
守っていく事を、自分自身に誓い、そのためにも愛に、一日も早く
元気になって欲しくて、颯太は、あることを考えていた。



コンコン ♪

「どうぞ」

颯太は、父である豊の社長室を訪れて、

「失礼します・・・」

「どうした、颯太?珍しいな、お前がこんな時間に来るなんて・・・」

「あぁー、親父、頼みがあるんだが・・・」

「どうした?」

「悪いが、7月の後半頃、俺の仕事が落ち着くから、休みを10日ほど
 貰えないか?」

颯太は、豊かに休みの申請に来たのだ。

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