恋人たちのパンドラ【完】
「命に別条はないそうです―――ただ出血量が多かったみたいで」

悠里が説明すると

「そうか・・・少し安心した。君は徳永さんだね?」

「あ、はい。徳永悠里です。あの今回は、私のせいで・・・っ」

しっかりお詫びしなくてはいけない。刺されそうだったのは悠里だったのだ。

だがあの光景を思い出すだけで悠里の目には涙があふれた。

「あの、実は刺されそうだったのは私で・・・・」

「大丈夫、医者から話は聞いてあるから少し落ち着きなさい。あなたも大事な身体だ」

そういって泰三は悠里に椅子に座るように促した。

悠里はゆっくりと腰を下ろすと、再び壮介の手を握った。

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