恋人たちのパンドラ【完】
***

意識が戻った壮介は医師の診断を受け、明日もう一度精密検査を行うことになった。

「悠里、お前はもう帰れ。分かってないかもしれないけど酷い顔してるぞ」

「酷いって・・・」

「どうせ飯も食ってないんだろ。もう夕方だぞ。帰って明日の朝体調がよければ来てくれ」

そう言う壮介に悠里は頑なに首を横に振った。

「やだ、もう少しここにいる」

そう言って壮介の手をギュッとにぎる

「だって、怖かったんだもん。壮介いっぱい血が出て倒れて目を開けないし。手どんどん冷たくなっていくし・・・」

話しながら悠里は涙をぽろぽろとこぼした。

今まで気をはって泣かないようにしていたが、一度あふれ出した涙はとめどなく頬を伝った。
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