君に愛して、僕を恋する。





中身は手作りっぽいクッキー。





「よかったらお父様に……」





その女子は紙袋を渡しながら、上目遣いで言った。



ありがとう、と受け取ったものの。

正直父さんにあげるつもりはない。



病人の父さんにクッキーなんかあげれない、というより、味の保証ができないからだ。




前も、手作りシューを貰ったけど、生地はかたすぎるのに、中のクリームはべちゃべちゃ。

お世辞でも美味い味と言えなかった。




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