君に愛して、僕を恋する。




静かに泣いていた。

声もあげずにただゆっくりと、静かに。



月明かりに照らされた涙は、キラキラ光ってて綺麗だ。




「風邪、引くよ。」




段々と寒くなっていくのを感じて、思わず、口をついて出た。




その子は驚いたように俺に目を向けた。

時が止まったみたいに少しの間目が合って、少し胸が高鳴る。




ぱっと目をそらして、彼女はさっと涙を拭って家に入った。




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