君に愛して、僕を恋する。






「鍵、忘れたの。」


「あぁ、なるほど。」





気まずそうな表情で彼女は言った。





「親父さんは、いつ帰んの?」


「多分、8時。」


「えぇっ、8時⁉」





雅があんぐりと口を開ける。

無理もない。
まだ4時30分なんだから。






「どっか行く当てあるの?」


「ない。」


「じゃあ、俺の家くる?佳代も後で来るし、夕飯も食べてけばいいじゃん。」





< 36 / 59 >

この作品をシェア

pagetop