かえるのおじさま
それでも、あの幼子がそのままの性質で育っていれば、そんな無体はするまいと思ってしまうのは、少々甘いだろうか。

どちらにしろ、美也子を元の世界に帰してやるというのはまったくの夢物語、と言うわけではなくなったのだから……

(……なあ、どうしてやるのが、お前にとって一番いいんだろうな)

不細工人形を指先で弄いながら問う。
それでも、答えは見えない。

この世には答えまで用意された事柄など、片手の指ほども無いのだ。

だからギャロは、その人形に唇を寄せてささやく。

「ずっと、俺の傍に、居て欲しい」

そんなのはただのわがままだ。
伝えるべきでは無いだろう。

自分はそんなものよりも強く、彼女を愛している。
そして今は美也子の夫だ。ならば妻の幸せを最優先に考えてやるのが務めだろう。

(……そうは思わないか?)

しかし、内観の声に答えをくれる者など、誰もいなかった。
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