かえるのおじさま
だけど……それでも……

「……甘えるって、やり方、知らない」

「そうだな。お前のキャラじゃないな」

小柄な体を抱きしめたまま、ギャロは美也子の頭をぐしゃぐしゃと撫で回す。

「俺のことは男じゃなくて父親だと思え。辛いときは八つ当たりの道具に使えばいいし、泣きたいときにはハンカチ代わりに鼻でもかめばいい。父親って言うのは、そんなモンなんだろ」

「解からない」

「解からないって……前に話してくれたじゃないか。祭りに連れて行ってくれるような、優しい親父さんだって」

「お祭りに連れて行ってもらうような、小さな子供だったのよ」

「じゃあ、親父さんってのは!」

「死んじゃった。小さい頃に」

「ばか。そういうことは笑って言うもんじゃない」

ギャロの腕が力を増す。
強く、だが優しく、父のように。
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