かえるのおじさま
美也子の頬を、自然と涙が伝った。

「だから、私が帰らないと……お母さんが一人になっちゃう」

「ああ、そうだな」

「仕事だって、ずっと休んでたらクビになっちゃうし」

「そうか」

「本当は友達と旅行に行く予定もあったのに、楽しみにしてたのに」

つらつらと望郷の念が並ぶ。

それでもギャロには、抱きしめてやることしか出来ないのだから……ギャロはただ、混じりけのない慈愛の心を込めて、美也子を抱きしめていた。
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