かえるのおじさま
「ち、違うの。要る、要らないじゃなくてね、マーケティングを……」

「まけてぃんぐ?」

「ギャロの屋台は男の子向けの景品ばかりでしょう。だけど、お祭りには女の子も来るじゃない」

女のほうが商売の話に聡いというのは、ここでも同じなのだろうか。

美也子の言葉を拾ったのは、大皿を抱えて出て来た蛙頭の女のほうだ。

「なるほど、女の子向けの景品を考えてるんだね」

「ええ。あっち……私のいた地方では、小さい女の子は大人の真似をしてお化粧ごっこしたり、おしゃれしたりするのが好きだから」

「なるほど、悪くないアイディアだ。この辺の子供も、やっぱり女の子はオマセさんで、おしゃれするのが好きだからね」

おばさんは店の奥、厨房よりもさらに奥から自分の宝石箱を取り出して、美也子に貸し与えた。

「指輪はどうしてもオーダーメイドになるからね、高価だし、私も持ってないよ。逆に腕輪や首飾りなんかが好まれるね」
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