可愛い生徒(カノジョ)の育て方
「もうすぐ30歳の先生が貼ってるのは、かなりイタイよ……」

 まだ28だ! ……もうすぐ29だけど。

「知らないのか? このパッチ、俺が知る限り一番よく効くんだぞ」

「……ホント?」

「真面目に効くんだって。かきむしり防止にもなるし、騙されたと思って試してみろ」

 安西は結局、塗り薬タイプをやめて、あんこの入ったパン型ヒーローをカゴに入れた。

 素直な奴。不覚にも最近、安西が可愛いと思ってしまう。

 大森先生の言葉が頭をよぎるのは気のせいだ。

 もちろん、生徒として、なのだから。


 帰りの車の中、早速安西と岩谷は例のキャラクターがついたパッチを貼っていたのだが……。

 バックミラーに映ったものを見て驚いた。

 安西が、ジャージの裾を太ももまで捲り上げて、爪先を天井に向けている。

 膝の裏側、太もも付近が赤く腫れ上がっていて、そこに薬を貼ろうとしているようなのだが。
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