可愛い生徒(カノジョ)の育て方
『先生の車は、青いパジェロだった。

 中は清潔で、タバコの匂いもしない。

 あたしは後ろに座ろうとしたんだけど……。

「何遠慮してるんだ? いいから前に来なさい」

「いいんですか?」

「お前が遠慮しなくちゃならないような相手は、今はいない」

 それって、今は彼女がいないってこと?

 それとも、あたしが男の格好をしているから、恋愛対象外ってこと?

 ぐるぐると色んなことを考えつつ、あたしは素直に助手席へ座った』



 ……なるほど、俺と同じ車な訳か。

 彼女がいない。

 女子高生は恋愛対象外。

 俺が安西に話したことが、そのままここに記されている。

 これは、俺……な訳ないよな?

 多分、考え過ぎだろう。

 俺をモデルにするなら、もうちょっとまともな教員にして欲しいものだ。



『合宿所から出てすぐに、外は猛吹雪になった。

 ふもとの街で買い出しを終えて、合宿所へ戻る途中、あたしと先生を乗せた車は渋滞に巻き込まれてしまった』
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