胸に刻んで
●この恋に終止符を
お姫様になんて私はなれない。
町娘ってところだ。
そんな一般庶民が王子様に恋をした。
好きになってしまった。
漫画のような恋なんて
現実で起こるはずがない。
「あぁー……現実逃避したい……」
読んでいた漫画をベッドの上に放り投げ机に置かれていた麦茶を一気飲みする。
「現実はつらすぎるよねー」
中学の時からの友達、琴美(ことみ)が私の独り言に返事をしてくれた。