キミがいるから。
〜菜未version〜

「おはよー!」
大きい声でアンが言う。
私は、恥ずかしくて声も出ない。教室を見回しただけだった。アンがうらやまし いといつも思った。私はアンに憧れてた。小学生からずーっといままで。


教室を見回した時、ある人の視線に気づいた。それは、早川 陸斗(ハヤカワリクト)だった。くしゃっとした髪の毛をして、鋭そうな目つきでなぜか私の方を見ている。でも、なぜか優しい目つき。
けど、なんで?とか聞けない。
聞いたら、確実に変人あつかいだ。

私は、なぜか人とは、ズレている所がある。うっかり口に出さないようにしていたら、いつのまにか性格が暗くなってしまってた。本当の私は、誰も覚えてないかもしれない。別に気にしてないからいいんだけどね…


誰も気づいてくれなくていいもん…
その方が楽だしね。

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